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言葉ではちょっと表しにくいし多分聞いた方はイメージしづらいかもだけどさ、まるで坦々麺の具を麺のかわりにご飯に乗せたような料理だった
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メニューの名前は「坦々丼」
多分これだけだと微塵もイメージできないだろ？
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ジャンクフードやん
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>>3まあな
でも実体は掴めないだろ？だから俺がこれからそれを淡々と説明していくわ
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俺が説明を終えたとき、お前らのなかで微かなに消えゆくはずのイメージだった「坦々丼」が確かな実体を持ったイメージとなるだろう
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淡々と説明するわ
坦々丼だけにな
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その日俺はいつのも「総額一万円以内に抑える豪遊旅行」に出ていた
たまの楽しみだよ
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一万円で旅行なんかできるかよ？って思うだろ？
ところがところがさ、燃費のいい軽自動車
だいたい回るところは入場料数百円と博物館とか記念館 泊まりもシャワーもネカフェ 食うものはＢ級グルメ、あとはドライブ中は持参したブラックコーヒーとふりかけまぶしたおにぎりこんなんだとかなり安く済むわけさ
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ローソンストアにレトルトの坦々丼の具売ってなかったか
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眠いよお😪
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>>12もう月曜日の朝だぞ
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自作おにぎりは炊きたての飯にワサビを和えてラップで握ってからふりかけをまぶすのが基本だね。ワサビふりかけ、よりワサビを和えた飯にふりかけのほうが俺は好きでね
そのピリ辛ワサビのおにぎりとブラックコーヒーがドライブのお供にいいわけさ
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まあ行儀の悪い運転しながら前提のおにぎりだからな
三角とかお洒落な形状ではなくて小判型だよ。小判型おにぎりだ
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坦々丼の話しろよ
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>>16？
今その説明中だが -
まあそんなこんなでその日も行ったことないネカフェをナビに入れて夕方ドライブに出かけたわけさ夕方言ってもその日はまだ涼しかった（３月なのに寒かった）から午後２時には出発してた
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夏場涼しくなってから行ったことのないネカフェに向かってドライブしてさ、そのネカフェを拠点に夜の繁華街をブラブラですよ
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ここまでの知的な文章見てさ、お前は書いてる俺は知的な物静かなダンデイなおっさんとかをイメージしてたろ？
でも実は俺は現実ではいろいろダメな残念なおっさんでな。その日のプチ旅行もいろいろ前段階からダメだったわけさ
ウキウキで水筒に詰めたブラックコーヒー
とダイソーのバスケットに詰めたワサビおにぎりを両方忘れて出発してたのさ -
めちゃくちゃムシャクシャしたね
せっかくお気に入りの音楽聞きながらワサビおにぎりとブラックコーヒーで見知らぬ景色をゆったりドライブとしけこもうと思ったのにさ、ないんだよ
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そういうときは決まって何十年も前のムカつく出来事とか思い出して独り言ブツブツいい始めるのがオチだよ
かと言ってさ、おにぎりとブラックコーヒー取りにアパートに戻ったらそれはそれで何十も前に俺に理不尽な目に合わせた奴らが嘲笑ってる気になるじゃん？
仕方ないから2時間くらい缶コーヒー一本で粘って走ってたわけよ。見知らぬ土地を
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でも腹減ってきたわけさ。考えたらその日は朝飯も昼飯も食ってねえよと
でも自作ワサビおにぎりないしさ、仕方ないからもうＢ級グルメ飯食うことにした。今回の旅は一万円少しオーバーするかもしれんが背に腹は代えられないだろ？
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んで俺はなんとなく見知らぬ道の駅に入ったわけさ
ちょうどトイレに入りたかったし、Ｂ級グルメといえば道の駅のお惣菜コーナー＆フードコートが穴場というのが相場だろ？
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いやまあせっかくのプチ旅行でコンビニ食とかはあんま買わないようにしててな
もう形から「この日は特別」感を出してく派でな
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まあ４時ちょいすぎだったかな？その日は平日だったので人はまばらだった
んでそこの道の駅の売店はよくある雑貨やおみやげ品が所狭しと並べられてる感じじゃなくて、なんか回転寿司みたいな雰囲気だった
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坦々丼の話まだ？
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>>27わかった
ちょっと端折る -
なんか制服っぽいのとエプロンと頭巾持ったおっちゃんが一人カウンターに囲まれてなんか作っててさ、カウンター席で誰かなんかなんか食べてたり、お持ち帰りだったりそんな空間でな。おみやげ品売り場とは仕切られてる感じで、かつ食堂ってわけでもなくて。おっちゃんは注文受けるわけじゃなくてお惣菜コーナーにどんどんお惣菜を追加してるみたいだった。観光客とのコミュは皆無みたいでな、フードコートに囲まれた厨房で料理してるスタッフが見えます。的なコンセプトだったかも
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んでとにかく
おっちゃんは注文受けるわけじゃなくて、おっちゃんが並べたお惣菜をカゴに入れてレジに持っていけってスタイルだったわけさ俺は勘がいいほうだからすぐにはわからなかなかったけどさ、一回聞いただけで理解したね
おっちゃん「あー僕料理するスタッフなんで、そこのコーナーからお惣菜とか弁当選んでくださいね」ニカッ
の一回の説明で完全に理解した
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まあとは言ってもそのお惣菜コーナー
やたら商品が転々としか置いてなくてなカレーとか牛丼とか揚げ物のいい匂いが漂っるのに、残ってるのはなんか挽肉っぽい乗ってる丼もののお惣菜２つだけだった
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多分ひやかしが少ないんだろうと思ったわ
そのおっちゃんやたら「食わせるタイプ」のオーラ放ちまくってさ。なんとなく訪れた客はそのおっちゃんの作ったお惣菜買わないと損するからとりあえず一品カゴにいれる
そんな流れができてるんだろなあ？って思うような空間だったよ
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まあだから俺もその黒いプラスチック容器に盛られた謎のお惣菜をカゴに入れたのさ
お惣菜には坦々丼て印字のシールが貼られてた
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さて、俺超人見知りじゃん？
車で食えるシチュエーションなら車で食うことにしたわけさ
結局ご当地ソフトクリームと坦々丼と自販機でブラックコーヒーの3つ買って1000円超えてしまった
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まあワサビおにぎり忘れたんだから仕方ないってことでね、とにかく食うことにしたのさ
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車にもどってさ、ブラックコーヒーはドリンクホルダーに、ソフトクリームは俺の発明した「ソフトクリームなめ機」にセットしてさ
待望の謎の料理試食タイムに入ったわけさ
これを時間かけて口の中をソフトクリームで甘くしたりブラックコーヒーでリセットしながら食うわけだね
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すまん
ソフトクリームなめ器だな機械ではないわ
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坦々丼
お前らも初耳だろうがなかなか謎の料理だった大雑把に言うと坦々麺の具を飯に乗せて丼にしたような
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