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薬物仲間と弱みを握り合い…　高知東生さんが依存症語る

　２０１６年に覚醒剤取締法違反などの罪で有罪判決を受けた、高知県出身で俳優の高知東生（たかちのぼる）さん（５４）が８月３０日、高知市内で依存症予防の講演会に登場した。高知さんは「自分の人生のつまずきを価値に変えたい」と語り、定員を大きく超える約３００人が聴き入った。
　講演会は、薬物やアルコールなど様々な依存症予防のノウハウを伝える「『ダメ、絶対』だけではない依存症予防教室モデル授業」。公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」が、国の委託事業として開いた。

　高知さんは高知市出身。明徳義塾高校を卒業後に俳優を志して上京し、テレビや映画などで活躍した。

　上京後に薬物を使い始めたという高知さん。周囲の人たちを見て「おしゃれに薬物を使っている。こうなりたいと思ってしまった」と振り返る。まねをして薬物に手を出すと友人や仕事が増え、「着実に成り上がっていけた」。

　だが、薬物を通して知り合った友人たちはその後、「弱みを握りあう恐怖になった」と後悔の念を抱いたという。１６年に執行猶予付きの有罪判決を受け、現在は自助グループなどで治療を続けながら、依存症問題の啓発活動もしているという。

　有罪判決後、県内では初めて公の場に立ったという高知さん。冒頭では「高知に戻ってくるのが一番怖かった」と声を震わせたが、最後には「依存症の怖さは限界がわからなくなり、バランスがおかしくなること。これからは苦しんでいる人の役に立ちたい」と決意を述べた。

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