ロシア、ゼレンスキーの健康を祈った約70人が逮捕、最大10年刑の危機に、自由弾圧の象徴、段階的な権威主義化の危険性

ロシアで、ゼレンスキー大統領の健康を祈ったとして、約70人の市民が逮捕され、最大10年の禁錮刑の可能性に直面している。対象となったのは特定の宗教団体の信者で、集団でゼレンスキー大統領の健康を願う祈りを行ったことが理由だという。現地映像には、警察が会場に突入し、会議中の参加者をその場で拘束する様子が映されており、スピーカーも凍りつき、参加者はショックを受けている。この光景は、ロシア政府による権威主義的な統制の過剰さを象徴している。政府にとって「敵」とされる人物のために祈るだけで、国家への脅威とみなされるというのは、表現の自由や信教の自由が著しく制限されていることを示している。こうした弾圧は、ロシアにおける自由言論や宗教活動の衰退の最新例であり、異議を唱える者は消されるか、それ以上の処罰を受けかねない状況だ。
さらに、この状況は、ヨーロッパで進む表現規制の強化にも警鐘を鳴らすものだと指摘されている。一夜にして自由社会が「思考警察」の支配下に置かれるわけではなく、段階的に進行するという警告だ。まず「ヘイトスピーチ」、次に「誤情報」、そして「間違った人物のための祈り」へと対象が広がる可能性がある。対照的にアメリカでは、大統領を批判したり、敵国を象徴する旗を振ったりしても法的制裁はほとんどない。この絶対的な自由こそ、権威主義に対抗する最後の防御線であり、自由社会の免疫のような存在である。
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