「牛肉やめて鶏肉に」家計の節約シフトが鮮明化

すき焼きはお預けかも…牛肉をやめて鶏肉に、家計の節約シフトが鮮明

総務省が8日発表した10月の家計調査によると、2人以上の世帯が使ったお金は月平均30万1974円だった。物価変動をのぞいた実質で前年同月と比べて2・5%減り、8カ月連続で前年を下回った。特に食費を抑える傾向が強まり、高い牛肉はあきらめて鶏肉を選ぶなど、献立にも物価高の影響が出ている。

　東京都練馬区の食品スーパー「アキダイ」には、午前10時の開店と同時にお客が次々と訪れた。精肉売り場で若鶏のもも肉を手に取った女性（66）は「モノの値段が全体的に高くなった。鶏肉は手頃だし、何でも使えるから」と話す。

　秋葉弘道社長（55）によると、豚肉や鶏肉の販売は伸びているが、和牛の動きが鈍いという。「これまでは平日もいい和牛が売れていたが、いまは週末だけ。肉に限らず価格への関心度が高まっている」と話す。

　その傾向は家計調査でも明らかだ。2人以上の世帯が10月に買った牛肉は平均1621円で、前年同月より8・9%減り、6カ月連続で前年を割った。一方、鶏肉は3・5%増え、豚肉は横ばいだった。生鮮肉全体の支出もほぼ横ばいのため、より安い肉に消費がシフトしていることになる。
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