健康診断で血糖値異常が見つかって精密検査で膵臓癌ステージ３で。来週から治療入院するんだけど、心構えとか教えろ

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ワクチン接種「中小企業で無理」「学生数万、打ち手は」

新型コロナウイルスのワクチン接種で政府が1日、「職域接種」を21日から始めると打ち出した。企業や大学は「要請に応えたい」と言う一方、「医療従事者が確保できない」「自治体でないと無理」と、突然の表明に困惑も広がる。スムーズな接種は実現するのか。

　規模の格差もあり、体制が整えられない中小企業からは不満の声が上がる。

　大阪府大東市にある板金加工メーカー、山田製作所の山田茂会長は「中小企業でワクチン接種を実施するなんて無理だ」と話す。社員は約20人で、多くの中小企業と同じように産業医もいない。「そんなことできるのは大企業だけ。私らは自治体にやってもらわないと、どうにもならない」

　社員約40人の菓子メーカー「オリオン」（大阪市）。高岡五郎・常務取締役（66）は「うちの規模の会社では、自前で注射の『打ち手』などを確保するのは難しい」。同社は健康診断を9月下旬に予定しており、「もしもワクチンを打っていない場合、その時に打つのが最も効率が良いのではないか」と話す。

　商工会議所などを通じた共同実施や企業の取引先も含めた実施といった方法が示されたが、商工会議所には加入せず、取引先は全国各地に散らばる。「結局、居住地（市町村）で接種するのが一番いい」

　大企業にとっても対応するのが厳しい状況だ。

　大阪ガスの担当者は「行政と連絡がとれておらず、どのようにワクチンが供給されるのか具体的に分からない。対応方針は何も決まっていない」と説明する。

　繊維大手東洋紡の担当者は「企業として具体的に何ができるのか、何を求められているのか、詳細な情報が示されていない」と指摘。全国各地に事業所や工場を展開しており、産業医の人数や副反応への対応といった体制整備についての懸念があるとした。

　在阪の大手メーカー関係者も、ワクチンの打ち手の確保の問題を挙げ、「産業医や看護師だけで対応するにも、社員の家族や近隣住民まで対応できるのか」。別の電機メーカー関係者は「工場などを含めると事業所数も多く、従業員の人数もかなりの数。必要な医療従事者の確保は無理だと思う」と語った。

　パナソニックは「実施するかどうか含めて検討中」とし、関西電力も「注射器やワクチンの入手方法が分かってから検討を始めたい」（担当者）。大手不動産関係者は「接種でトラブルがあった時の責任も負うので、どの企業も慎重に検討するのではないか」とみている。（箱谷真司、森田岳穂、田中奏子、橋本拓樹、加茂謙吾、筒井竜平、森直由）

大学も「どうしたらいいのか」
　コロナ禍でオンラインでの授業を強いられている大学も、職域接種の対象だ。

　近畿大学（大阪府東大阪市）には学生が約3万5千人、教職員が約9600人いる。広報室は「早く対面授業に戻していきたいと考えている中、ワクチン接種が早まるというのは良いことだと考えている」と歓迎する。

　立命館大学（京都市中京区）の広報課は、「ワクチン接種会場の提供にも協力する考えでいた。社会的責任として要請には応えていきたい」。学生は約3万2千人、教職員は約2500人だ。

　多くの大学は、体育館や講堂など接種会場の候補施設は用意できるとみられるが、問題は自前での確保が求められる医療従事者だ。関西地方の別の私立大の関係者は、「教職員や学生を合わせると数万人にもなる。ワクチンの打ち手を確保しろといわれてもどうしたらいいのか」と話す。（狩野浩平）

「前倒し、自治体の対応は」
　職域接種は、高齢者向けに自治体が実施する集団接種や個別接種と並行して進むことになる。

　大阪市の松井一郎市長は1日、職域接種について、記者団に「ワクチン接種のキャパが広がる」と歓迎しつつも、「もともと7月いっぱいは高齢者という枠組みだった。急激に前倒しになると自治体の対応は非常に厳しいというか、スピード感についていくのも大変」と語った。

　厚生労働省が1日付で出した事務連絡では、市町村が発送する接種券が届く前でも職域接種は可能だとする一方、6月中旬に接種券を送付するよう市町村側に求めている。企業や大学には、発送された接種券を本人から回収して必要な処理を行ってもらうとした。

　一方、大阪府の吉村洋文知事は5月29日の全国知事会で、職域接種を6月下旬～7月下旬には開始していくべきだとの考えを示した。居住地にかかわらず、職場や大学でワクチンが打てるため、市町村の負担が減ると指摘する。

　役所内での職域接種については、松井市長が「一般と同じように接種したい」と否定的な考えを示した一方、府は進めるといい、現在のところ方針が分かれている。