80歳老母「寝たきりの息子が不憫じゃ、せめてワシの手で葬ってやろう」裁判所「はい、歌舞伎役者じゃないから殺人で実刑ね！」

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　岡山県玉野市内で昨年8月、体が不自由な息子を殺害したとして、殺人の罪に問われた母親（80）に対する裁判員裁判の判決が3日、岡山地裁であった。本村暁宏裁判長は「身勝手な思いから被害者の残りの人生を奪った」などと述べ、懲役4年（求刑同5年）を言い渡した。

　弁護側は、息子と意思を通じ合った同意があったと主張し、執行猶予付き判決を求めていた。

　判決によると、母親は昨年8月4日早朝、玉野市の自宅で長男（当時52）の顔にタオルケットを押しつけ、首をネクタイで締め付けて窒息死させた後、110番して自首した。

■「そんなんじゃ4ねんよ」

　長男は幼い頃に患った脳腫瘍（しゅよう）の後遺症で、右半身が不自由になった。事件4日前には体が突然動かなくなり、搬送先の病院から帰宅してからは寝たきり状態にあった。母親は事件前日の未明、長男の介護疲れから、長男の鼻と口を枕でふさぎ、無理心中を図ったが失敗。長男に「そんなんじゃ4ねんよ」「今日もやるんじゃろ」と声をかけられていた。

　本村裁判長は、発言は長男が殺害を悟ったことによる落胆や諦めと解釈できる、と指摘。殺害を受け入れる趣旨は含まれず「殺されることを同意していたと言えない」などと述べた。（北村浩貴）

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