「GHB」とは“最強のレイプドラッグ”と呼ばれる麻薬である。実は、筆者もいまレイプドラッグが絡んだ暴行事件に対応している。日本人男女が、アメリカで見ず知らずの男たちにGHB入りビールを飲まされレイプされたというのだ。被害者の2人は、ドラッグパーティーの最中に襲われているため、「自分たちも薬物をやっていたので訴えることができなかった」と大いに後悔している。
薬物が凶悪犯罪のツールに使われていることを読者に改めて知ってもらいたく、今回はプライバシー保護を考慮して、時期やシチュエーションなど一部の情報を変更した上で、この事件を紹介したい。
「2人ともその場でレイプされたということか?」
アリ(仮名・24)は中学生のころから大麻など様々な薬物を経験してきたという。筆者は麻薬取締官時代に何度か彼女の薬物事件にかかわってきた。急性中毒で錯乱した彼女を緊急搬送したこともある。以来、なぜか懐いてきて、人生の節目節目で連絡をしてくる。その彼女から1年半振りに電話があった。「相談したいことがあるので、彼と行くから話を聞いてもらえませんか?」
数日後、アリが彼氏の蒼太(仮名)と一緒にやってきた。26歳の蒼太はアリの大学時代の先輩で付き合い始めて約1年。すでに同棲しているという。ともに鍛え上げられたダンサーの体型で実に見栄えがいい。だが、普段は明るいアリの表情は終始、曇っており、傍にいる蒼太もうなだれている。
――どうした。何があったか話してみなさい
「……」
――よほどのことみたいだな。話せる範囲でいいから。
改めて尋ねた。アリは暫く黙していたが、突然、頷くと意を決したように話し始めた。
「オークランドのパーティーで“GHB”を混ぜたビールを飲まされて、数人の男にレイプされちゃって……。Drink spaking で“be roofieid(※後述)”というやつです。朦朧とするなか、“Jap! Fuck you asshole”と嘲笑されたのを覚えています。この言葉がずっと耳から離れません。身体の隅々まで知らない男たちの体液や匂いが染みついていて、気持ち悪いし、悲しいし、悔しくてなりません……。録画されていたらどうしよう。死にたくなっちゃいます。でも、私たちもドラッグをキメていたので、どうすることもできなかったんです」
「Drink spaking(ドリンクスパンキング)」とは、飲み物へ薬物を混入する行為を言う。「be roofieid(ルーフィド)」とは、睡眠薬のロヒプノール(転じてレイプドラッグ)が混入した飲料を飲まされ、昏睡した状態を意味するスラング英語だ。
――なんだって? 蒼太君は一緒じゃなかったのか。
「僕も意識をなくしまして。ズボンを剥ぎ取られたところまでは、おぼろげに覚えているのですが……」(蒼太)
――ええ! つまり、2人ともその場でレイプされたということか?
「いまでも信じられませんが、気づいたらそういうことになっていて……」(蒼太) 「彼女だけじゃなく、僕もズボンをはぎ取られ…」 アメリカ滞在中の日本人カップルを襲った「最強のレイプドラッグ」の悪夢(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース数ある薬物犯罪のなかでも、被害者の心身に深い傷を負わせる点で「レイプドラッグ」が絡む事件は悲惨さが際立つ。日本では、カラオケやバーで知らぬ間に飲み物に睡眠薬を混入されて――というのがそのイメージだnews.yahoo.co.jp
昨年末、本場サンフランシスのラップフェスに参加し、そのとき、隣接するオークランドに住む友人のイーサン (仮名)に誘われて参加したパーティーで被害に遭ったという。加害者につては「5、6人の男だった」ことしか分らない。警察や領事館には自分たちも薬物やっていたことが負い目となって相談できなかったそうだ。
――飲まされたビールにGHBが入っていたことが、どうしてわかったのか。
「目が覚めてから、先に帰宅していたイーサンに電話したんです。するとイーサンが大慌てで検査キット持ってやってきて……。残っていたビールを検査したのです。するとGHBの反応が出て……」(アリ)
検査キットには「Test Your drink for―― DRUGS」などと書かれていたという。
実はアメリカでは、人の尿のみならず、飲み物を検査する試薬が販売されている。地域によっては、試薬を店舗に備えるつけることが州法で義務づけられ、必要に応じて客に提供しなければならない。それだけ「ドリンクスパンキング」が後を絶たないということだろう。
「病院には行ってません……」
――事件から約2か月半が経っているな。 妊娠は大丈夫か? 外傷は? 感染症の検査は? 医師は何と言っているのか。言いたくないことは言わなくていいから。
「病院には行っていません。検査もまだです……。イーサンが病院へ行こうと言ってくれたけど、断りました。ドラッグを使っていたので警察に通報されるとヤバい思って。“オピル(Opill)”というアフターピルを買って飲んだから妊娠は大丈夫だと思います。言いづらいけど裂傷や擦過傷はあります。後ろも前も口の中も……。蒼太のお尻は私よりも酷いことになっています。軟膏を塗って、痛み止め飲んでなんとか凌いでいるけど。先行きのことが不安で先生(筆者のこと)に相談しようということになって……」(アリ)
――そうか、辛いな……。でも、まず病院だ。この手の事件の場合は、HIVやHBs(B型肝炎ウイルス)、梅毒に淋菌といった感染検査をする必要がある。警察への相談は後で一緒に考えよう。それから、被害に遭ったときに着用していた服や下着はどうした? スマホや旅券、貴重品は盗まれてないか。
「やっぱり検査は必要なんですね。明日、必ず行きます。服や下着はドロドロになっちゃいましたし、スニーカーにもドロドロした液が染みついていたから気持ち悪くて全部捨てちゃいました。2人とも盗まれたのは現金だけ……。でも、そんなに持ち歩いてなかったので大丈夫です。実家の母にはまだ言わないでください。蒼太のお母さんにも……」(アリ)
中央の部屋でラップバトルが始まり、多くの客がそちらに移動した。アリと蒼太は長椅子に腰かけてベルーシに浸っていた。そこに「Yo、Yo、ジャパニーズ? 好きなラッパーは?」などと言いながら5、6人の男たちが近づいてきた。彼らは2人を歓迎するような素振りを見せながら「40oz(フォーティーオンス)」というビールを勧めてきたという。40ozはラッパーに人気のあるビールらしく、ラッパーファン同士のご機嫌な挨拶なのだろうと思い、2人とも半分ほど飲んだという。
すると、まもなく――。
2人は強い眠気に襲われて意識が朦朧としてきたそうだ。アリは迫ってきた男が “Jap!Fuck you asshole”と嘲笑したのを記憶しているという。床に引きずられ、ズボンを脱がされそうになったのが蒼太の最後の記憶だという。
その後「アリ、アリ! 大丈夫か?」と叫ぶ蒼太の声で目覚めたアリは、強烈な脱力感と頭痛を覚え、レイプされたことも全身で感じ取ったという。さらに、震えながらイーサンに電話する蒼太の言葉を聞いて、彼も被害に遭っていたことを知る。40~50人いた客たちはまばらで、音楽も鳴っていない。そこにイーサンが試薬を持って駆けつけた。試薬でビールの中身を検査し、スタッフや残っている連中に必死になって状況を質していたそうだ。しかし、周囲の誰も“事件”に気付いていなかったらしい。
蒼太が重い口を開いた。
「全身の痛みで目覚めました……。僕が複数の男からレイプされるなんて。それも彼女と一緒に……。こんな地獄みたいな話ありますか。予定を繰り上げて帰国したけど、2人が当日のことを語れるようになるには時間が必要でした。薬物の件で相談したことがある弁護士に、アリには内緒で話をしました。知り合いのカップルの話として“何とか手立てはないでしょうか?”と相談したものの、“向こうで起きた事件だ。現地の警察に被害届を出して領事館に相談しなければ解決は難しいだろう。仮に加害者が判明したとしても、ドラッグパーティーでのできごとなので、合意があったと主張されれば立証は難しい” と。でも、自分たちが逮捕されても構わないので、やつらを処罰してもらいたい……。こんな事件が発生していると多くの人に伝えてください」
売春大和撫子が悪いよ
女を駆逐しなきゃ
短時間でマリファナやってコカインやってMDMAやって鎮痛剤やって
最後のレイプドラッグを飲んでなくてもフラフラなんじゃないの
>“これなに!”と蒼太とたまげちゃって。
男女どっちなのかもよく分からなくなってしまう
アメリカ人でもそんなとこ近寄らないわ
>そんなときに昔の薬物仲間からメールが届く。蒼太は気晴らしに会いに行ったそうだ。そこで薬物に手を出し戻ってこなくなったという。





コメント