ラーメンマニア「ラーメンに胡椒かけるやつは素人、普通はスープの味を楽しむためにかけない、店に失礼」

ラーメンにいきなり胡椒をかけてはいけない

私が衝撃を受けたのは、この事実だけではない。冒頭のラーメンに関する記述である。この方があるラーメン店の店主に「ラーメンにいきなりコショウを振りかけるかどうか」と聞いたところ、「かける派」「かけない派」はほぼ半々だということだ。

なるほど、そういう時代なのか。いや、私が幼い頃、たしか小学館の学年誌かコロコロコミックで読んだと記憶しているのだが、「ラーメンには、いきなり胡椒をかけるな」というマナーが紹介されていた。まずは、店員が魂かけて作ったスープをれんげですくって味わい、その上で、必要に応じて胡椒をかける。これが流儀だと学んだ。適切な味付けができるという意味で合理的だと思う。だから、このマナーを学んで、私は今まで実行してきた。

しかし、半々とは。いや、サンプル店が1の議論であり、体感値でしかないのだろうけど。

もちろん、いきなりかけるというのも合理的ではある。同じ店ならだいたい味が想像がつく。時間の短縮とも言えるだろう。麺類は多様性の食べ物である。この食べ方を否定してはいけない。

しかし、まるで回転木馬のデッド・ヒートのように、あるいは時間泥棒に時間を奪われたかのように、忙しく雑な世の中になっていないか。

何度でも、言おう。人類は麺類だ。それは多様性の象徴である。胡椒をいきなりかけるのも多様性だが、そもそも店主がトライした多様性をまず味わうということを大事にしたい。

それにしても、ラーメンに何も考えずに胡椒をかけられる時代というのは、幸せな時代だったとも言える。人類は香辛料とともに生きてきた。賃貸住宅の更新料が数年に1回やってくるように、香辛料は人類とともに歩んできた。

自由に胡椒をかけることができる時代は、いつまで続くのか。激しく傍観することにしよう。

https://news.mynavi.jp/article/20210424-1877337/