ラーメンの鬼　佐野実　の思い出

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佐野元春の現在地　40周年ライブで示したハートビート

佐野元春の40周年記念ライブ（朝日新聞社など主催）が、4月4日に大阪市の大阪城ホールで開催される。3月の東京公演を聴いた音楽評論家・今井智子氏が感じた佐野元春の現在地とは。

　佐野元春がデビュー40周年記念公演を、自身の誕生日でもある3月13日に日本武道館でおこなった。

　実際は昨年が40周年だったが新型コロナ禍の中で活動がままならず、ようやく実現したものだ。タイトなライダースジャケットを着て登場した佐野は、THE　COYOTE　GRAND　ROCKESTRAと名付けた9人編成のバンドとともに40年を凝縮した29曲を、力強い歌と演奏で聴かせ観客を魅了した。

　若き日の曲を現在の自分に引き寄せたスケール感のある演奏で歌い、お馴染（なじ）みの名曲を今もフレッシュに歌い上げる。中でも「ハートビート」「ロックンロール・ナイト」の力強い歌唱は圧巻だった。歓声の代わりに盛大な拍手を送る観客に「一緒に歌って、心の中で」と呼びかけ、来たるべき「新しい日のために」と最新曲「合言葉―Save　It　for　a　Sunny　Day」を歌い、同じく昨年発表した「エンタテイメント！」は閉塞（へいそく）する日々に重くなる気持ちに風を吹き込むような歌詞で、“詩人”佐野を強く印象付けた。

　終盤は「サムデイ」など初期の代表曲を続けて披露、当時と変わらぬエネルギッシュな歌で観客を盛り上げた。40年を経てなお充実した作品を発表している佐野だが、ライブもまた一段と手応えのあるものを見せてくれることを示していた。

神輿