タマネギ今より更に値上がる可能性大（笑）　カレー、牛丼、ハンバーグなども値上げ避けられず　負の連鎖

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飲食店からも悲痛…タマネギ高騰いつまで？「また値上げを…」

タマネギが高い－。小売価格は平年の2倍以上だ。国内最大の産地、北海道で干ばつや高温によって昨年から不作だったことに加え、感染対策のロックダウン（都市封鎖）で中国産の輸入も不安定になったのが原因という。食料品の値上げが続く中、タマネギの価格高騰は家計に痛手だ。

5月下旬、訪れた八百屋「農家“直”野菜『時や』」高宮店（福岡市南区）では、2～3個入りのタマネギを229円で販売していた。昨年より100円も高い。仕入れ担当の千田脩一さん（37）は「野菜は200円より高いと高級感が出て買いづらくなるけど、やむを得ない」。店では他の野菜で利益を補っているという。

「タマネギはどんな料理にも合うので普段は多めに買うけど、今は必要最低限しか買えない…」。買い物客の60代女性はこの日、購入を見送った。千田さんによると、スープやトマト煮込みにはタマネギの代わりに豆類を入れてもおいしいそうだ。

飲食店からも悲痛な声が上がる。ジャポネソースにタマネギをたっぷり使う「洋食屋Tomato畑」（同市中央区）では1週間で10～15キロのタマネギを仕入れる。コロナ禍で客足が伸びない上に原材料価格が上がり、昨年9月に値上げした。店長の田中守亜（もりつぐ）さん（30）は「高値が続けば不本意だが、また値上げをしないといけないかもしれない」とため息をついた。

農林水産省の食品価格動向調査によると、タマネギの平均小売価格は1キロ534円（5月第4週）と平年の約2・1倍。天候の影響を受けたのは北海道だけではなく全国2位の産地、佐賀県もだ。JAさがによると、1～2月の気温低下により収穫が遅れ、4月の収穫量は前年より約4割減った。ただ5月の収穫量は平年並みに戻っているという。園芸指導課の伊東克明課長は「今後は例年通り出荷できるように計画している」と話す。

となれば、価格は戻るのだろうか。農水省によると、全国の出荷量の約6割を占める北海道の昨夏の出荷量は、平年の約3割減。これは佐賀県産の年間出荷量の約2倍に相当する量といい、価格にも当然影響するとみられる。

福岡大同青果（同市東区）によると、ロックダウンの影響で不安定になっていた中国からの輸入が、5月下旬から増え始めた。ただ、北海道の不作のインパクトは大きく「価格が落ち着くには、今夏の北海道での収穫量しだいになる」と担当者は語る。しばらくは知り合いから譲ってもらうタマネギでしのぐしかない、と感じた。（鈴鹿希英、児玉珠希）

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