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勝ち運がつく？　ホークスの攻めの企画、その狙いとは

プロ野球・福岡ソフトバンクホークスのこの春の目玉イベントが、3月20日から始まる。「うんこミュージアム」だ。「かわいくてポップなうんこにまみれる非日常の体験ができる」とうたっている。なぜ、日本一球団がこのような試みを？　そこには、将来を見据えた戦略があった。

　「こんにちうんこー」と、笑顔のスタッフに出迎えられた。18日の関係者向け内覧会でのことだ。会場には色とりどりでおしゃれな便器や「うんこ」の展示物が並び、トイレットペーパーでつくられたアート作品やゲームコーナーがある。

　うんこミュージアムは、タブー視されがちな排泄（はいせつ）物をかわいく楽しんでもらおうと、2年前に横浜市で初めて開催され、東京、中国・上海と合わせて累計50万人以上が来場した。この人気展示が、3月20日から8月29日までソフトバンクの本拠地、福岡ペイペイドームに隣接する施設「BOSS　E・ZO　FUKUOKA（ボス　イーゾ　フクオカ）」の6階で開かれる。

　「誕生した2年前からホークスさんからお声かけいただいていた」と、うんこミュージアム総合プロデューサーの小林将（まさる）さんは明かす。「球界の盟主であり、12球団の中でも新しいことに一番積極的な球団だと思う。いろんな取り組みをして盛り上げたいという気持ちを感じた」という。

　球団の広報企画課の池田優介課長は「私たちは野球だけじゃないエンターテインメント企業を目指している。野球ファン以外にも足を運んでもらい、楽しんでもらいたい」と話す。

　会場のE・ZOは大型商業施設「MARK　IS（マークイズ）福岡ももち」に近い、球団所有の7階建てビル。王貞治・球団会長の資料の展示や野球に関連するアトラクション、大リーグ公認レストランのMLBカフェなどの他に、アイドルグループ「HKT48」や吉本興業の劇場も入る。球場で試合がない日も楽しめる施設を目指している。

　ただ、E・ZOのオープンは昨年7月、コロナ禍のさなかだった。今も一部で入場者数を制限するなど、施設の存在をPRするのに苦慮している。そこで起爆剤として期待されるのが、うんこミュージアムだ。「インスタ映え」する展示でSNS効果を狙う。池田課長は「この春がE・ZOのリスタートになる」と語る。

　プロ野球のシーズンは、3月26日に開幕する。チームは5年連続日本一を目指す。ミュージアム開催中、ヒーローインタビューを受けた選手は「うんこ型」の色紙にサインを書き、それをミュージアムで展示するなど、連動企画もある。

　池田課長は「ホークスを好きになってもらう入り口を広げていきたい。野球好きではない方々が球場に足を運ぶきっかけになればいい」。パ・リーグ一の人気球団は、コロナ後も見据えてさらなるファンの裾野拡大を狙っている。