【難病】潰瘍性大腸炎（炎症性腸疾患）について知っていること

・出血性大腸炎（腸管出血性大腸菌感染症、細菌性赤痢）
O157（最も凶悪な大腸菌）や赤痢菌のようなベロ毒素（志賀毒素）を産生する細菌によって起こる重症型の大腸炎。
激しい腹痛（虫垂炎に匹敵するレベル）や出血性下痢（酷い場合は血液と粘液のみが出てくるようになる）、発熱などの症状がみられる。また、ベロ毒素が血液中に侵入すると腎臓や肺、脳などの血管を攻撃して重い合併症が起こることもある。
主に食中毒として発生することが多い（特にO157は生肉や生レバーが原因となることが多い）が、感染力がノロウイルス並みに強く少量の細菌でも感染が成立するため、野菜や飲み水などを汚染することもある。
感染症法では三類感染症となっている（ちなみにコレラ、腸チフス・パラチフスも同様）。
ちなみにO157や赤痢菌は加熱調理には弱いが、強酸（胃液）に対しては強い。

・偽膜性大腸炎
主に免疫力が低下した高齢者に多い重症型の大腸炎。抗生物質によって腸内の善玉菌が減り、クロストリジウム・ディフィシル（悪玉菌の一種）が増えることで起こる。
激しい下痢と発熱が主な症状で、劇症化すると下血（粘血便）や中毒性巨大結腸症などを併発して亡くなることもある。

・虚血性大腸炎
大腸に流れる血液の量が減ることで起こる病気。言い換えるなら「大腸に狭心症が起こったような病気」。
突然の激痛と下血（粘血便）が主な症状である。嘔吐や発熱を伴うこともある。
意外と予後良好な病気で多くの場合は2週間程度の入院・絶食で治るが、稀に大腸が狭くなったり腐ってしまうことがある。特に大腸が腐った場合（大腸壊死）は心筋梗塞並みに危険な状態なので緊急手術が必要。

・腸重積症
乳幼児に多い重大な病気（稀に大人にも起こることがある）で、小腸が大腸に潜り込んで激しい炎症や腸閉塞を起こす。
大声で泣き叫ぶほどの非常に強い腹痛と嘔吐がみられる。進行するとトマトケチャップのような粘血便が出ることもある。
放置すると腸に血液が流れなくなるため、腸が腐ってしまい亡くなることもある。
すぐに救急車等で病院に行けば手術せずに治せることもある（ただし入院は必要）が、24時間以上経過した場合は緊急手術が必要となる。

もこう
おおえのたかゆき(おえちゃん)
くるる先生